💭 デザイン職を目指す前に考えておきたいこと
年に数回は訊かれるネタなので、「今の自分ならこう考える」ということをまとめました
おしながき
UnsplashのBrett Jordanが撮影した写真
この記事はだれ向け? #
- 現在他職種で就業中だけど、デザイン職へジョブチェンジを考えているひと
- デザイン職(Web デザイナー、グラフィックデザイナーなど)に興味があって、転職したいと考えているひと
- スクールに入会するか、独学で頑張るか、迷っているひと
なぜこの記事を書くのか? #
年に数回はこの手の相談をしてくるひとがいる。
自分は異職種にジョブチェンジとか考えたことはないけど、デザイナーの仕事をしながらプログラミングを勉強していたり、おかげさまでこの職業をそれなりの年数を続けていられている。なんだかんだいいながらもデザインの仕事は好きなので、興味をもってくれたら嬉しい。 でも、情報がたくさんある近頃はかなしい話を聞くことが多い[1]ので、そういうひとが増えないといいなと思って、まとめることにした。
オススメのスクールとかサービスを具体的に紹介しているわけではない[2]ので、読んだひと中には「全然欲しい情報見つからないじゃないかプンスコ」って思う人もいるかも知れないが……。スクールやサービスを探すのも学習のうちだと思う。ここでは探すために考えておいたほうがいいと思うことをまとめる。
欲しい情報は頑張って探してほしい。そのほうが絶対にいい、騙されたと思って探してみてほしい。
ジョブチェンジは想像以上のリスクがともなう #
通常の転職活動もそれなりにリスクがある。その上、さらにジョブチェンジしようとなるとハードルは 2 倍 3 倍とうなぎのぼり。
なので、回避できるリスクはできる限り小さくしておくためには作戦を考える必要がある。
調査を念入りにする #
まずはデザイン職とはどういった職務内容なのかを知って、本当にやってみたいと思えると思う情報を集めるといいと思う。
デザイン職とひとくちにいっても、職務内容は組織規模や企業の業種、予算規模によってさまざま。
単純に広告バナーを量産するだけのときもあれば、企業のデザイン戦略を考える重要なポジション、サービスの設計(見た目だけの話ではなく、サービスのしくみ、ブランド戦略などなど)、ほんとーーーーーーーーーーに「そんなことまでやるの?!」っていうものも出てくるくらい広い。
できる限り、Twitter でのつぶやき、Instagram のストーリー、Youtube の動画などの伝聞ではなく、自分で「お話訊かせてください!」とお願いして現場で働いてるひとに聞くことをオススメする。
知り合いにデザイン職をやっている人がいるなら、どんな仕事なのか話を聞いてみる。
できればいい話だけでなく、悪い話(苦労話)も聞いておくと現実と理想のギャップみたいなものが見えてきたりして、それを自分が許容できる(乗り越えられる)かという検討材料になると思う。
ちなみに、不幸自慢は聞かなくて良い。なんの材料にもならない。
Meetyでデザインを生業としているひとに話を聞いてみるのもいいと思う。Meety じゃなくても、Wantedly みたいなカジュアル面談から入れるメディアもあるので、(返答率は低いかもしれないけど……応募しても無視という企業もそこそこいる。応募数が多すぎて対応できないという事情もあるかもだけど……)応募してみるのもいいかもしれない。
上記を実施する際、デザインスクールでオススメはあるか、スクールに対してどう思っているかなどを聞いてみるのもいいかもしれない(入会の検討は最後に回すけど)
プラン B を用意しておく #
他職種からのジョブチェンジというのは、本当に冗談抜きで大分かなり大変だと自分が入会しているプログラミングスクールの同期生さんとか生徒さんを見ていてよく思う。
メンタルが絹ごし豆腐みたいな自分は「あそこまで頑張れる週間少年ジャンプの主人公のような勇気と根性はないな……」と、本当にすごいと尊敬している。
自分のようにジョブチェンジしなくても、他職種のスキル(プログラミング)を身につけるというのは思っている何倍も時間と金がかかる。胆力もそこそこ必要になってくる。
スクールに通っていると、途中で休会(というシステムが自分が通っているスクールにはある)や、退会するひと、お試し期間に離れてしまうひとも少なくない。
人間なのでそれぞれ合う合わないというのは絶対にある。たまたま引っ越した先のお隣さんが「悪い人じゃないんだけど、なんとなく水が合わない」みたいなことがあるのと同じように。
そういうことに遭遇したとき、きちんと生活が成り立つように「もし学習がうまく進まなかったとき、自分には向かない仕事だと気づけたときのためのプラン」というのを考えておく必要がある。
お出かけするとき「国宝展にいきたいけど休館日だったら冨樫義博展に行こう」みたいなやつだ。
現職に就業しているひとだったら、いきなり退職して学習一本に絞らず、平日は仕事をして土日で学習時間を確保するもいい。
あるいは、正社員契約から業務委託(パートタイマー)に切り替えられるなら、時短勤務にして、その分学習時間を確保するというのも考えられる。
働きながら学習するのは大変だが、もし挫折してしまっても仕事は続けられているので生活に困って追い詰められることはなくなるというメリットもある。
無職になって学習一本に絞った場合、学習に集中できるからハマれば短期でスキル習得も見込めるというメリットがある。
反面、挫折したとき再就職先を探すところからスタートすることになる。就業するまでに運が良くても最短で 1 ヶ月〜2 ヶ月はかかると思うので、ハイリスクのように思う。
小さく始められる方法を探す #
石油王がパトロンにでもなってくれれば問題ないかもしれないけど、いきなり大金を投入して学習を始めてしまうと、途中で学習が辞めづらくなってしまい、精神的に追い詰められてしまうこともある。
あえて退路を断って邁進していけるストロングスタイルメンタリティをお持ちの方はいいけど、自分の観測範囲ではそんな人ばかりではない。むしろ途中で追い詰められて辞めたいという人のほうが多い印象がある。健康を損ないながらも分厚いハードルをぶち破って晴れてジョブチェンジしても、不健康体では満足に働けない。せっかく得たスキルも活かせず療養コースになったら元も子もない。
そうならないためにも、まずはローコストで学習でき、無理なくできる学習方法を探すのが良い。
小さく始められる方法案 #
以下はあくまでも一案だ。
最近は Google っていう大変便利な検索サービスがあるので、ぜひ自分でもいろんなキーワードをかけ合わせて調べて見てほしい。
- もし、現在お勤めの会社にデザイングループみたいな部門があるなら「たのも〜〜〜、拙僧はデザイン職に志願したいでござる!」と門を叩いてみる
- デザイングループなるものがなくても、それっぽい仕事を探して「やってみたいのでやらせてください!」と志願して、独学ではじめてみるというのもある
- 独学で始めてみる
- Udemy
- Adobe Creative Cloud ラーニングとサポート
- YouTube
- Pinterest - ピンタレスト
- キャリアアップ講習 | TOKYO はたらくネット
- 在職者向けの職業訓練。多分自治体ごとにやってるカリキュラムに差があるかもしれないので「自治体名 キャリアアップ講習」とか検索してみるといいかも
- 身近に相談に乗ってくれる人や、MENTA(メンタ)でメンターさんを探してメンタリングしてくれる人を探しておくのがいいかも
- ひとりで学習すると「本当にこれでスキルが身についてるのだろうか?」とか、「これで本当に仕事としてやっていけるのだろうか」といった悩みが出てきたときにネガティブ思考に陥って健康をそこなってしまうことがある
- Twitter のプロフで「教えます!」とか「年収〇〇万円」とか書いてるサロンは自分の観測範囲ではいい話を聞いたことがないので……止めはしないけど気をつけてね……とだけ(すべてが良くないともいい切れないので)。
オンライン教材も充実しているけど、個人的にはオンラインだけでなく、ぜひ大型書店に行ってデザイン関連の HowTo 本も手にとってみてほしい。
ネットの記事では確証なくテキトーなこと書いてる記事も嫌というほどあるし、そういうページほどなぜか Google の検索結果の 1 ページ目に出てくることがある[3]。
出版社から出ている本は、ある程度情報の裏とりがしっかり取れていて、古かったりしても普遍的なものであれば 20 年前の本でも十分参考になる。そういう意味では個人ブログ(ここも含め)よりよっぽど信用に足る情報が集められているので、数千円払う価値は絶対にある。
スクールに入会することを検討する #
小さく始めてみて、デザインたのしい!継続して学習を続けられそう!って思えるようになってきたら、いよいよスクールに入るかを検討してもいいタイミングだと思う。
ここまで「めちゃくちゃ慎重になれ」みたいに言い続けているので、スクール入会反対過激派みたいに思われているかも知れない。
でも、個人の考えとしては自分がデザイン職についた頃に比べ職務内容が高度になり複雑なので、スクールに通って体系的に学習することは良いことだと思っている。
体系的に学習している経験を持つというのは、「教えてもらった経験」も得ることができる。つまり、他職種の人に「なぜそのデザインになったのか」ということをきちんと説明することができるスキルを持つ事もできる。これは野生の勘で Web デザイナーになった自分が得られなかったスキルのうちのひとつで、本当に羨ましいと思う。これができるデザイナーは現場で重宝される[4]……はず。少なくとも自分はそう思う。
そしてスクールは大学や専門学校に入学するよりは安価に学習できる。学校に入ったら少なくとも 200 万円、大学だったら 400 万以上は必要だと思います。それが(実技に偏りはあるものの)数十万で学習できるのは魅力的だ。
……でも、云十万は高くもないけど決して安いわけでもない。
お金は生きる上で必要なツールの一つにしか過ぎないけれど、なければないでかなり精神的に追い詰められる、生きる上での必須アイテム。金は心の余裕を生む。だから検討は慎重に(金 is 大事)
できれば入会金なし、月額料金で通えるスクールを探してみる(あるのかわからないけど……あったらいいな……)
繰り返しになるが、入会時に大金を払ってしまうシリーズはやめづらくなってしまうケースが多い印象(少なくともプログラミングスクール界隈ではよく聞く)
途中で辞めることは悪いことではない。それも選択肢のひとつ。辞めないことで追い詰められてしまうことのほうが問題。合言葉は「いのちとこころをだいじに」。
🍙 #
- 興味を持ってもらえるのは嬉しいからぜひチャレンジしてほしいけど、苦しい思いをしてほしくないから、ごチャレンジは計画的に
- インターネッツを駆使して調べるのも大事なスキルのうちのひとつ!自分で調べて、現職のデザイナーさんにお話をきいてみるのが良さそう
- だれにでも向き不向きは絶対にあるもの。挫折は絶対悪いことではないので自分を責めない。自分に向いてないと気付けたと思うことが大事
- スクールは高くないとはいえ、決して安くはない金額なので、自分にあったスクールを妥協しないでじっくり検討しよう
某「● 日で〇〇をあきらめた話」(タイトルうろ覚え)の連載は……正直、薄目で見ていてもツラいものがあった。自分が根暗根性の持ち主というのもあるが。あと Youtube で社畜実況しているチャンネルもあまり好きではない……自分のしくじりはいくらでも草を生やせるが、他人のツラいところを見て草は生えない ↩︎
こういうサービスはあるという紹介はするけどオススメしてるわけじゃない ↩︎
なぜでしょうね、調べてみると面白いと思う ↩︎
「なんとなくこのデザインにしました」って言われたモノと、「こういう理由があり、こういった効果があるのでこのデザインにしました」って言われたモノ、あなただったらどっち選びます? 絶対後者のほうが信用できると思う ↩︎